ペルシア絨毯(読み)ペルシアじゅうたん(英語表記)Persian carpet

翻訳|Persian carpet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルシア絨毯」の意味・わかりやすい解説

ペルシア絨毯
ペルシアじゅうたん
Persian carpet

ペルシア文化圏で作られる手製敷物。古くから伝統的に作られていたが,15世紀頃から盛んになり,サファビー朝時代 (1501~1736) に頂点に達した。織り方はノット (結び) 式が多く,デザインは庭園文,花文,動物文,瓶壺文,メダイヨン文などが使われ,連続文の縁どりがあることが多い。素材は羊毛主体で,ヤギ毛,ラクダ毛も使われた。経糸 (たていと) は普通は木綿を使用するが,絹糸を使用しこれに金糸や銀糸を入れたものは「ポーランド (ポロネーズ) ・カーペット」とも呼ばれ,17世紀にポーランド王が産地に直接注文して作らせたことから,高級カーペットとして作られるようになった。 19世紀に一時衰退したが,20世紀に入って再び盛んになった。主産地はタブリーズ,カーシャーン,マシュハドケルマーン,サナンダジュ,イスファハンなど。

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世界大百科事典(旧版)内のペルシア絨毯の言及

【絨毯】より

…地の平組織を作る経糸(たていと)とよこ糸(緯糸(ぬきいと))のほかに,経糸に一目一目色糸(パイル糸)を結びその先を切ってけば状に立毛し,文様を織り出すもので,糸の材料,結び方,織機,文様など,産地ごとに特色が見られる。絨毯の発生は羊毛資源に恵まれた乾燥地帯の遊牧系民族によるものとされ,今でも西アジアを中心とする地域が手結びの絨毯の主要産地で,とくにペルシア(イラン)絨毯は名高い。絨毯は,床の敷物ばかりでなく,壁掛け,鞍の敷物,荷袋などにも使われる。…

※「ペルシア絨毯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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