ペンタクロロフェノール

デジタル大辞泉 「ペンタクロロフェノール」の意味・読み・例文・類語

ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)

フェノールに5原子塩素が結合した物質白色粉末結晶殺菌剤除草剤などに用いられる。PCP

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化学辞典 第2版 「ペンタクロロフェノール」の解説

ペンタクロロフェノール
ペンタクロロフェノール
pentachlorophenol

C6HCl5O(266.34).略称PCP.フェノールを触媒の存在下に塩素化すると得られる.刺激臭のある白色の針状晶.融点191 ℃(無水物),174 ℃(一水和物),沸点309~310 ℃.1.978.pKa 8.2(メタノール).有機溶媒に易溶,水に不溶.木材防腐剤,農業用殺菌剤(果樹用)に用いられる.魚毒性が強いため,除草剤としての使用が規制されている特定化学物質.鼻,のどを刺激する.LD50 210 mg/kg(ラット経口).労働安全衛生法に規定があり,許容濃度0.5 ppm.[CAS 87-86-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペンタクロロフェノール」の意味・わかりやすい解説

ペンタクロロフェノール
ぺんたくろろふぇのーる
pentachlorophenol

フェノールの一つ。フェノールのベンゼン環上の水素原子をすべて塩素原子に置換したもの。PCPと略称する。弱いフェノール臭をもつ昇華性の無色の結晶。水に不溶、アルコール、ベンゼンに可溶。フェノールを鉄粉の触媒で塩素と反応させて製造する。水に不溶なので水溶性のナトリウム塩として用いる。殺菌作用が強く、農用殺菌剤、除草剤として用いられたが、魚毒性が高いので日本では現在使用されていない。

[加治有恒]

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