ホスファチジルイノシトール

化学辞典 第2版 の解説

ホスファチジルイノシトール
ホスファチジルイノシトール
phosphatidyl inositol

略称PIイノシトールホスホグリセリドともいう.細胞膜を構成するリン脂質の一種.ジアシルグリセリンにリン酸エステルを介してイノシトールが結合している.細胞内に情報を伝達する際のセカンドメッセンジャー原料ともなる.イノシトールの4位と5位のヒドロキシ基にリン酸基がついたもの(PI(4)やPI(4,5)P2)をホスファチジルイノシチドとよぶ.ある種のホルモン刺激が受容体からGタンパク質を介してホスホリパーゼC-βに伝わると,PI(4,5)P2からイノシトールトリス(リン酸二水素)IP3が切り出され,これがセカンドメッセンジャーとしてはたらく.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 の解説

ホスファチジルイノシトール


 リン脂質の一つ.近年リン酸エステル化されたホスファチジルイノシトールが,細胞内信号伝達物質において重要な機能を有していることが明らかになっている.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のホスファチジルイノシトールの言及

【リン脂質(燐脂質)】より

…ふつうのグリセロリン脂質ではリン酸にさらに多種のアルコール(コリン,セリン,エタノールアミン,グリセロール,イノシトールなど)がエステル結合している。高等動植物に最も多いグリセロリン脂質は,ホスファチジルコリン(PC)とホスファチジルエタノールアミン(PE)であり,つづいてホスファチジルセリン(PS),ホスファチジルイノシトール(PI),ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)などがある。これらはいずれも生体膜の構成成分である。…

※「ホスファチジルイノシトール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む