ホソチョウ

改訂新版 世界大百科事典 「ホソチョウ」の意味・わかりやすい解説

ホソチョウ (細蝶)

鱗翅目タテハチョウ科ホソチョウ亜科Acraeinaeに属する昆虫の総称,またはそのうちの1種を指す。小型~中型のチョウで,細長い翅と細長い胴をもつ。開張3~8cm。アフリカ大陸にもっとも栄えており,マダガスカルのものを含めて約200種が知られる。このほか,南アメリカ大陸にも種類数が多い。インド・オーストラリア地域には数種が見られるにすぎない。多くの種は胸部から黄色の悪臭のある物質を分泌し,捕食者からの攻撃を免れており,この亜科のものに擬態しているチョウも多い。幼虫の食草は,アフリカではトケイソウ科を中心とし,ツルネラ科,マメ科,バラ科,シナノキ科イラクサ科などの双子葉植物のほか,種によって単子葉植物ツユクサ科を食べるものもある。飛び方はごく緩やかでタテハチョウよりもマダラチョウに似ている。台湾に産するホソチョウPareba issoriaは開張5.6~6cm。1属1種で,幼虫の大群が食草のヤナギイチゴの葉を食い尽くしているのをよく見かける。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android