日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホプキンズ(Sir Frederick Gowland Hopkins)
ほぷきんず
Sir Frederick Gowland Hopkins
(1861―1947)
イギリスの生化学者。サセックスのイーストボーンに生まれる。鉱山学校や病院などで分析化学を学んだが、1898年にケンブリッジ大学に入り生化学を研究し、1914年同大学生化学教授。1925年ナイトの称号を受け、1930~1935年は王立協会の総裁を務めた。血清タンパクの結晶化の研究から始まり、タンパク中のアミノ酸のトリプトファンを1901年に発見した。またカエルの筋肉の乳酸生成について研究し、のちのマイヤーホーフの解糖系の究明の端緒の一つとなった。トリプトファンの発見は、四大栄養素以外に自然食品に含まれている微量の成長促進物質の研究に発展し、ビタミン学の先駆的研究になった。この研究でC・エイクマン(抗神経炎ビタミンを発見)とともに1929年ノーベル医学生理学賞を受賞した。
[宇佐美正一郎]
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