ホルツマーデン動物群(読み)ほるつまーでんどうぶつぐん(英語表記)Holzmaden fauna

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホルツマーデン動物群」の意味・わかりやすい解説

ホルツマーデン動物群
ほるつまーでんどうぶつぐん
Holzmaden fauna

南ドイツ、バイエルン地方の小村、ホルツマーデン付近の下部ジュラ系黒色頁岩(けつがん)から産する動物化石群。浅海生の遊泳性ないし擬浮遊性の類からなり、軟部印象を残す保存のよい化石が多い。おもな化石は、魚竜類、首長竜類、翼竜類、多数の魚類ウミユリ類アンモナイト類箭石(やいし)類、二枚貝類(ポシドニア、イノセラムスなど)がある。これらは死後あまり腐敗せずに、汎世界的に生じた前期ジュラ紀海洋無酸素事変を反映した嫌気性環境下の海底堆積(たいせき)したものと思われる。類似の動物化石群は世界中の前期ジュラ紀の黒色頁岩から多産し、日本でも山口県下関市から報告されている。

[棚部一成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android