日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホルン(Arvid Bernhard Horn)
ほるん
Arvid Bernhard Horn
(1664―1742)
スウェーデンの軍人、政治家。1687年以後ハンガリー軍、オランダ軍などに勤務。のち、皇太子時代のカール12世の側近となった。1700年大北方戦争が始まると、国王とともに大陸に遠征。1706年伯爵となり、国務院議官として帰国を命ぜられ、以後本国の政界で活躍、1710~1719年宰相となった。この間、軍事・財政政策をめぐってしばしば国王と対立。1720年議会議長として反絶対主義憲法の制定を実現した。同年ふたたび宰相となり、1721年大北方戦争を終結させ、対外的には協調主義、とくにロシアとの協調を基軸として国政を指導した。また、1724年航海条例を制定し、新興産業を保護育成した。1730年ごろから対外強硬論を基調とする反対勢力「ハット党」の結集を招き、1738年の議会においてハット党の圧力により辞任を強いられた。
[本間晴樹]