ホー・チ・ミン(都市)(読み)ホーチミン

百科事典マイペディア 「ホー・チ・ミン(都市)」の意味・わかりやすい解説

ホー・チ・ミン(都市)【ホーチミン】

ベトナム南部に位置する同国最大の都市。旧名はサイゴンSaigon,漢字では西貢。かつて,南ベトナムの首都であったが,1975年のベトナム解放後改称。広大なメコン川デルタの北に続くサイゴン川西岸のデルタ上に市街が発達し,川と運河に囲まれた中心部には旧政府機関の建物,公園,植物園などがある。米輸出港で,食品加工,醸造などの工業も立地する。古くはクメール人の町であったが17世紀にベトナム人が進出した。南西に隣接するチョロンCholonには清朝の支配を避けた中国人の入植が行われた。1859年フランスが占領コーチシナの主都として〈小パリ〉と呼ばれる美しい町になった。1932年チョロンを合併。ベトナム戦争中は,各地からの100万以上の難民が集中したため,人口が350万人を超えた。カトリック聖堂,仏教寺院,美術館などがあったが,その多くがベトナム戦争で破壊された。588万615人(2009)。

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