ボイスカメラ(読み)ぼいすかめら(英語表記)Boys camera

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボイスカメラ」の意味・わかりやすい解説

ボイスカメラ
ぼいすかめら
Boys camera

イギリスのボイスSir C. Boysが1926年に考案したもので、電光観測に使われる。雷の放電一瞬で終わるものではなく、電光が伸びるのにある程度の時間がかかり、また、同じ道を通る何回かの放電がある。ボイスカメラは、二つの同じようなレンズ回転する円板の中心に対称に取り付ける。二つのレンズは反対方向に動くため、写された二つの電光像は、放電がゆっくり伸びるほど大きくずれる。第一レンズによる電光像をabc、第二レンズのをa′b′c′とする。a′をaに重ね、b′c′を平行移動する。二つの像のずれと円板の回転の速さから、放電が伸びる速さを計算する。実際には枝分れ電光があったりして分析には労力を要する。

[篠原武次]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ボイスカメラ」の意味・わかりやすい解説

ボイスカメラ

雷の電光の動態をとらえるための特殊カメラ。レンズを円盤につけて回転させ,回転位置が次々と移るごとにフィルム上に順に像を結ばせる方式と,レンズを固定してフィルムを回転させて順に像を結ばせる方式とがある。1筋に見える電光はいくつもの電光からなることがわかる。電光の速度,進行方向,構造などを調べるのに使う。

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