ボイド効果(読み)ボイドこうか(英語表記)void effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボイド効果」の意味・わかりやすい解説

ボイド効果
ボイドこうか
void effect

原子炉炉心にある液体減速材あるいは冷却材中にボイド (気泡) が生じて核分裂反応度が影響を受けること。ボイドは沸騰または気体混入によって生じる。反応度変化は,ボイドによる密度減少のために中性子吸収散乱・漏れの量が影響を受けることによるものである。沸騰水型炉では常に冷却材中にボイドが存在する。ボイドの増加に対する反応度の変化率をボイド係数といい,ボイド係数が負に設計された原子炉 (気泡が増えると核分裂反応が減少する) では出力上昇に伴う沸騰ボイドの増加に対して負のフィードバックが働くので安定である。沸騰水型炉の場合,1%のボイド体積当り 10-2~10-3 の負のボイド係数をもつ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android