ボンビコール(その他表記)bombykol

改訂新版 世界大百科事典 「ボンビコール」の意味・わかりやすい解説

ボンビコール
bombykol

カイコBombyx mori性フェロモンで,アルコールであることからその学名にちなんで,ボンビコールと名付けられた。1961年に,ドイツのブテナントButenandtらにより,単離され,化学構造も(EZ)-10,12-ヘキサジエノール と解明された。世界で初めて,化学的に確認されたフェロモンである。ボンビコールは雌ガが生産し,腹端にある側胞(誘引腺)から放出する。性フェロモンを触角で受容した雄は,羽を振るわせながら雌に近づき,交尾姿勢をとる。雄ガが性的に興奮するのに要する量は超微量でよく,ガラス棒を10⁻12g/mlのボンビコールヘキサン溶液に瞬時つけたもので十分に高い活性をもっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 高橋

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android