ボーア(Aage Niels Bohr)(読み)ぼーあ(英語表記)Aage Niels Bohr

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ボーア(Aage Niels Bohr)
ぼーあ
Aage Niels Bohr
(1922―2009)

デンマーク物理学者。高名な物理学者ニールス・ボーアの息子としてコペンハーゲンに生まれる。1940年コペンハーゲン大学に入学し物理学を学んだが、第二次世界大戦が始まり、ドイツがデンマークに侵攻したため、父とともにイギリスに亡命戦後に帰国し、1946年大学を卒業した。1956年コペンハーゲン大学の教授となり、1962年父が死去すると、ニールス・ボーア研究所の所長を引き継ぎ、1970年まで務めた。1975年から1981年まで北欧理論原子物理学研究所の所長を務めた。

 早くから父のもとで理論物理学を学んでいた。1950年に、留学先のコロンビア大学でともに研究していたレインウォーターが発表した原子核内の構造に関する理論に強い関心をもち、デンマークに戻ってからモッテルソンと共同で、その理論の検証に力を注ぎ、1953年に原子核構造の集団運動模型を提唱した。これは、原子核内の核子が集団を形成し、互いに作用しあって原子核が変形を起こすというものであった。1975年に「原子核の集団運動模型の発見と原子核構造理論の発展」により、レインウォーター、モッテルソンとともにノーベル物理学賞を受賞した。

[編集部]

『A・ボーア、B・R・モッテルソン著、有馬朗人他訳『原子核構造』第1・第2(1979、1980・講談社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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