日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーゲ」の意味・わかりやすい解説
ボーゲ
ぼーげ
Peter Waage
(1833―1900)
ノルウェーの化学者。ワーゲともいう。最初は医学を学んだが、のちに化学、鉱物学に進み、学生時代の1858年酸素ラジカルに関する論文で皇太子金賞牌(はい)を授与される。1860年奨学金を受けてフランス、ドイツに留学し、ブンゼンの下で研究。帰国後、クリスティアニア(現在のオスロ)の王立フレデリク大学化学教授。義兄のグルベルと共同で化学平衡について研究し、質量作用の法則を完成させた。その後、牛乳保存や魚類の開発利用など多くの社会的問題に関心を注いだ。1868年工芸協会の委員長を務め、今日のノルウェー化学会の基礎を築く。科学アカデミー委員、特許委員会委員、度量衡国有原器の監督委員などとして活躍し、ノルウェー近代化学の発展に寄与した。
[後藤忠俊]