ポインセチア(英語表記)poinsettia
Euphorbia pulcherrima Willd.

デジタル大辞泉 「ポインセチア」の意味・読み・例文・類語

ポインセチア(〈ラテン〉Poinsettia)

トウダイグサ科の常緑低木。高さ2~3メートル。葉は卵状楕円形で、濃緑色。枝先に、朱紅色のほうをもつ小花が集まって咲く。苞が淡黄色などの品種もある。メキシコ原産で、温室で栽培し、鉢植えなどにする。猩猩木しょうじょうぼく 冬》「小書窠も―を得て聖夜風生

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ポインセチア」の意味・読み・例文・類語

ポインセチア

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] poinsettia ) 植物しょうじょうぼく(猩猩木)」の異名。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「サイクラメンとポインセチアを届けてくれた」(出典:病室の花(1920)〈寺田寅彦〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ポインセチア」の意味・わかりやすい解説

ポインセチア
poinsettia
Euphorbia pulcherrima Willd.

クリスマスのころに花が咲き,同時に花をとりまく大きな苞葉が真っ赤に色づき花のように美しいトウダイグサ科の常緑低木。ショウジョウボク(猩々木)ともいう。年の暮れに鉢物や切花として広く利用されている。原産地はメキシコ。日本へは明治時代に渡来した。熱帯・亜熱帯地方では高さ5mにもなり,庭木としてよく植えられている。葉は互生し,卵状楕円形で周囲は角ばる。枝葉を傷つけると白色の有毒な乳汁が出る。枝の先端は花枝になり,小さなつぼ形をした花のように見える花序が十数個つき,1個ずつのみつ腺をもつ。花序の基部には大きな苞葉が十数枚つき,11月ころから12月にかけて紅色に色づく。改良された品種によっては淡紅色,黄色,白色のものもあり,また苞葉がたくさんつき八重咲きのように見えるものもある。四倍体品種も多く栽培されているが,苞葉が肉厚で大きく,観賞価値の高いものが多い。

 ポインセチアは短日で開花する性質があるので,日本では日が短くなった初冬から花をつける。暖地戸外でもそのころ苞葉は色づくが,温度不足のため小さく,着色も不良である。順調に生育させるには15℃以上が必要とされる。繁殖挿木による。時期は鉢物用の場合は6月から8月上旬ころまでで,早く挿すと丈が高くなりすぎる。切花用の場合は5~6月に挿す。近縁のショウジョウソウE.heterophylla L.(英名Mexican fire-plant)は本種によく似ているが,北アメリカ南部から南アメリカ原産の一年草で,ときに庭園で栽植される。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ポインセチア」の意味・わかりやすい解説

ポインセチア

ショウジョウボクとも。メキシコ原産のトウダイグサ科の常緑低木。広披針形で縁に浅い切れ込みがある葉を互生。枝先には狭披針形の切れ込みのない朱赤色の包葉を放射状につけ,その中央に数個〜十数個の花序が水平に並ぶ。花序を包む小総包はつぼ形の黄緑色で,中に雌花1個と雄花数個が入っている。5月にさし芽,さし木で苗を作り,鉢植として秋まで戸外で育ててから温室内に入れると,12月には包葉が美しく色づき展開し,クリスマスの装飾用の切花,鉢物となる。園芸品種には包葉が白,淡紅色のもの,あるいは切れ込みのあるものもある。
→関連項目トウダイグサ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報