ポリュクセネ(英語表記)Polyxenē

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリュクセネ」の意味・わかりやすい解説

ポリュクセネ
Polyxenē

ギリシア神話の女性。トロイ王プリアモスとヘカベ末娘。父およびアンドロマケとともに,戦死したヘクトル死体返還を頼みに来たこの可憐な王女を見たアキレウスは,たちまち彼女に恋するが,やがてこの恋がパリスの矢によって彼が打取られる原因となった。そのため,トロイ落城後ギリシア軍に捕えられた彼女は,アキレウスの遺児ネオプトレモスにより,亡父の墓にいけにえに捧げられたという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポリュクセネの言及

【ヘカベ】より

…ヘクトル,パリス,カッサンドラらの母。エウリピデスの悲劇《ヘカベ》(前424ころ上演)によれば,トロイアが陥落してギリシア軍の捕虜となった彼女は,ギリシアへ引かれて行く途中,アキレウスの墓前で犠牲に供されるべく,娘ポリュクセネPolyxenēをも手放さざるを得なかった。のち雌犬に変じ,トラキア地方のケルソネソス半島のキュノスセマ(〈犬の墓〉の意)に葬られたという。…

※「ポリュクセネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android