ポルタ(Carlo Porta)(読み)ぽるた(英語表記)Carlo Porta

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ポルタ(Carlo Porta)
ぽるた
Carlo Porta
(1775―1821)

イタリアの詩人ミラノに生まれる。神学校で学んだのち、一時期ベネチアで税務官として働き、ミラノに帰って、1804年に税務局に入った。ミラノの自由主義者たちと交際し、当時ミラノを支配していたオーストリアを批判し、聖職者堕落を風刺する『葬儀』(1816)、『神への供物』(1820)などの詩を、ミラノ方言の自由な言い回しを駆使して書いた。また『ベルツィエーレのニネッタ』(1814)などの詩では、下層民の悲惨な生活を民衆のことばをそのまま生かして描き、他民族による圧政の苦しみを表現した。ポルタの詩は方言の自由な言い回しで、新古典主義の血の通わない生硬さを克服し、ロマン主義文学に新たな道を開いた。

[竹山博英]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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