ポルテーニャ音楽(読み)ポルテーニャおんがく(英語表記)música porteña[スペイン]

改訂新版 世界大百科事典 「ポルテーニャ音楽」の意味・わかりやすい解説

ポルテーニャ音楽 (ポルテーニャおんがく)
música porteña[スペイン]

〈ポルテーニャ〉は〈港の〉を意味する女性形の形容詞であるが,この場合,港とはとくにブエノス・アイレスを指している。すなわちタンゴを主にしてミロンガ,バルスvals(南米風ワルツ)などを含め,港町ブエノス・アイレスのちまたに行われた大衆的な音楽をこのように総称する。なお,この国の地方民謡に基づく音楽(フォルクローレ)も今日ではブエノス・アイレスでよく聴かれるが,本来都会のものでないため,ポルテーニャ音楽の範囲には含められない。ジャズなど外来軽音楽も同様で,たとえブエノス・アイレスで定期的に演奏されていてもポルテーニャ音楽ではない。あくまで,この市に発生し,市民に自分たち本来のものとして親しまれた音楽のみを〈ムシカ・ポルテーニャ〉と呼ぶのである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android