日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マイヤー(Julius Lothar Meyer)
まいやー
Julius Lothar Meyer
(1830―1895)
ドイツの化学者。チューリヒ、ウュルツブルクで医学を学び、生理化学に転じてハイデルベルク等で学び、キルヒホッフらの影響で物理化学を研究した。ブレスラウ(現、ポーランド領ブロツワフ)大学、カールスルーエ工科大学等を経て、1876年よりチュービンゲン大学化学教授。1860年のカールスルーエ国際化学者会議でのカニッツァーロの原子量の論文を基礎に1862年最初の元素の分類を行い、1868年さらにこれを発展させて元素の周期系に近づいた。1869年3月のメンデレーエフの最初の周期表に刺激されて同年末、原子容の原子量に対する周期的変化を示した有名なグラフを提出しメンデレーエフの意想の発展を促進し、個々の点で周期表に改善をもたらした。5版を重ねた彼の著『化学の近代的理論』(1864年初版)は化学の基礎原理普及に大きく貢献した。前述の元素分類もこの書の執筆や改訂中に行ったものである。ほかに血中ガス、ベンゼンの置換反応、有機化合物の構造と沸点の関係などの研究がある。
[梶 雅範]
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