マオタイチウ(読み)まおたいちう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マオタイチウ」の意味・わかりやすい解説

マオタイチウ
まおたいちう / 茅台酒

中国の代表的な蒸留酒(白酒(パイチウ))。貴州省茅台原産。日中国交回復のパーティー(1972)の檜(ひのき)舞台に登場して一躍有名となった。麦、小豆(あずき)を粗砕し、水で練り固めてつくった麹(こうじ)(麯子(きょくし))と蒸したコウリャンと少量の水で半固形のもろみをつくり、穴蔵発酵槽(窖子(ジャオツ))で密閉発酵させて蒸留し、これを甕(かめ)に入れて長期間貯蔵熟成させる。発酵に9か月、熟成には2~3年を要する。アルコール分は60%前後、密閉発酵法による強烈な香りが特色である。この香りの成分には、カプロン酸カプリン酸など高級脂肪酸のエチルエステルや、酢酸エチル酢酸イソアミルなどのエチルエステルが多く、日本の焼酎(しょうちゅう)やウイスキーの香りの成分と異なっている。

[秋山裕一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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