出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ペルー南部山地,クスコ地方にあるインカ時代の代表的な都市遺跡。標高2500m余の急峻な山の鞍部にあり,北,東,西は急な崖という特殊な立地条件からみて,平時の都市ではない。実際にここが利用されたのは,スペイン人によるインカ帝国征服の時期(16世紀初め)であったといわれている。しかし避難区域的性格をもちながらもインカ特有の本格的建築が多数みられるうえ,全体は神殿群,宮殿,住居域,墓域などに分かれ,通路や水路もめぐらされた完全な計画都市の様相を呈している。また周囲には広々とした段々畑が作られ,かなりの人口を養うことができた。この都市は結局スペイン人の占領を免れ,数百年にわたり人知れず放置されていたため,典型的なインカ様式の建築が残っており,インカ研究の貴重な資料を提供している。1911年のH.ビンガムの発見で世界的に有名となり,今日では修復されてペルー有数の観光地となっている。
執筆者:加藤 泰建
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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