マツムシソウ(松虫草)(読み)マツムシソウ(英語表記)Scabiosa japonica; scabious

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マツムシソウ(松虫草)」の意味・わかりやすい解説

マツムシソウ(松虫草)
マツムシソウ
Scabiosa japonica; scabious

スイカズラ科の日本固有の越年草。日本各地の日当たりのよい山地に生える。茎は高さ 80cm以上になり,分枝する。葉は羽状に分裂し,対生する。裂片は鈍頭,上面は緑色で,下面は緑白色をしている。根出葉は幅が広く,上部の葉は披針形となる。夏から秋にかけて,花茎の先端に紫色の美しい頭状花を一つずつつける。萼の上部は牙歯状となり剛毛をもつ。花冠は花序の周辺部のものでは,外側のものが長く伸びて舌状花のようになる。おしべは 4本で花冠の上部につく。下位子房は 1室。果実紡錘形痩果で小型の総包に包まれる。中部山岳など高山草原には,背が低く頭状花の大きいタカネマツムシソウ S. japonica var. alpinaがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android