マヤパン(読み)まやぱん(英語表記)Mayapan

デジタル大辞泉 「マヤパン」の意味・読み・例文・類語

マヤパン(Mayapan)

メキシコ東部、ユカタン州にあるマヤ文明遺跡ユカタン半島北部、州都メリダ南東約40キロメートルに位置する。後古典期のものとされるマヤ文明最後の王朝の都市遺跡で、ピラミッド、マヤ式アーチの神殿、彩色壁画などの遺構が見られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マヤパン」の意味・わかりやすい解説

マヤパン
まやぱん
Mayapan

メキシコのユカタン半島北部にある都市遺跡。マヤ文明後古典期のもので、1250~1450年ころに繁栄した。およそ4平方キロメートルの範囲に石壁の外壁を巡らし、その内部に4140を数える建物が不規則に位置する。大半は居住用の建物であるが、中央部にはケツァルコアトル神の神殿など約120の宗教的・政治的機能を有した公共建造物がある。その形状には、チチェン・イツァーのようなトルテカ・マヤの様式がみてとれる。しかし、ツォンパントリ(頭蓋(ずがい)骨を並べる台)や球戯場、浴室などはない。伝承によれば、マヤパンの一族はイツァマルと組んでチチェン・イツァーを攻め、イツァー人を追放したが、その後イツァマルとも戦うようになった。後古典期のユカタン半島はいくつものマヤ人の小王国に分裂し、同盟を結んだり戦ったりする時代であった。ランダ神父の『ユカタン事物記』にはそのころの伝承が多く記されている。

[大貫良夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android