マリア・ルース号事件(読み)マリアルースごうじけん

百科事典マイペディア 「マリア・ルース号事件」の意味・わかりやすい解説

マリア・ルース号事件【マリアルースごうじけん】

1872年ペルー国船マリア・ルース号が清国のクーリー(苦力)輸送中に起こった事件。横浜寄港中に虐待に耐えかねたクーリーが逃亡,英国軍艦に救助を求めた。神奈川県権令大江卓は奴隷売買事件として裁判し,クーリーの釈放,本国送還を決定。ペルー国王は不服を申し立てたが,ロシア皇帝アレクサンドル2世を裁判官とする仲裁裁判により1875年日本の主張が認められた。この間ペルーが日本の娼妓制度を人身売買と弁じたため,娼妓解放令を生む契機となった。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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