マンガン青銅(読み)マンガンせいどう(英語表記)manganese bronze

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マンガン青銅」の意味・わかりやすい解説

マンガン青銅
マンガンせいどう
manganese bronze

この語は2種の異なる合金に同じ呼称で使われている。 (1) 古くからあるのは銅 52~60%のβ黄銅マンガン4~5%,アルミニウム2~6%,他に鉄,スズを加えた鋳造用高力黄銅 (→特殊黄銅 ) で,組成上はむしろマンガン黄銅というべきものである。普通の鋳造黄銅の引張り強さ 176~245MPaに対し 440~608MPaの高値をもち,機械部品,建築金物,舶用プロペラなどに使われる。 (2) 銅にマンガン3~5%を加えた合金。マンガンは 300℃で銅中に 20%まで固溶し,その固溶体は高温でも強度 (引張り強さ 588MPa以上) ,硬さ (ブリネル値 140以上) とも落ちないので,過熱蒸気輸送路などに用いられる。もっとマンガン量の多い同系統の合金にマンガニンホイスラー合金など特殊なものがある。

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世界大百科事典(旧版)内のマンガン青銅の言及

【銅合金】より


[青銅系合金]
 青銅系合金の主体はスズを合金元素とする青銅である。太古以来銅合金はもっぱら青銅であったために,今日でも青銅bronzeというと銅合金という意味に使われることがあり,まったくスズを含まないものでもマンガン青銅のように青銅と呼ばれるものがある。そのためにCu‐Sn合金をとくにスズ青銅と呼ぶことがある。…

※「マンガン青銅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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