マンゼブ

化学辞典 第2版 「マンゼブ」の解説

マンゼブ
マンゼブ
manzeb

(C4H6MnN2S2)x(Zn)y.ジマンダイセン,亜鉛配位N,N′-エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン塩ともいう.エチレンジアミンと2モル量の二硫化炭素,および水酸化ナトリウムを反応させてN,N′-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)ジナトリウム塩とし,これに塩化マンガン(Ⅱ),ついで塩化亜鉛を反応させると得られる.帯灰黄色の粉末.分解点192~204 ℃.水溶解度6.2 mg L-1(pH 7.5,25 ℃).有機溶媒にほとんど不溶.マンゼブは,いわゆるSH阻害剤であり,呼吸を阻害することで殺菌活性を示す.種々の病原菌に有効なので,野菜,果樹疫病,べと病,黒点病,炭そ病などに広く用いられる.LD50 5000 mg/kg(ラット経口).[CAS 8018-01-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマンゼブの言及

【ダイセン】より

…黄色の吸湿性結晶で,ウリ類の炭疽(たんそ)病,疫病,アブラナ科の黒斑病,白斑病,べと病,ネギ類のべと病,黒斑病,銹(さび)病,イチゴの灰色かび病など野菜類の病害の防除に用いられる。類似の構造ならびに殺菌活性を有するマンネブ(商品名マンネブダイセン),マンゼブ(商品名ジマンダイセン),アンバム(商品名ダイセンステンレス),ポリカーバメート(商品名ビスダイセン)などの殺菌剤も広く使用されている。これらは細胞のエネルギー代謝をはじめ,生体における生化学反応において重要な役割を果たしているSH酵素の活性を阻害することによって殺菌力を示す。…

※「マンゼブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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