改訂新版 世界大百科事典 「マーチャーシュ1世」の意味・わかりやすい解説
マーチャーシュ[1世]
Mátyás Ⅰ
生没年:1440-90
ハンガリー王。在位1458-90年。コルウィヌスM.Corvinusとしても知られる人文主義者。フニャディ・ヤーノシュの子。1458年大貴族に対立する中貴族の支持により国王に選出され,賢臣ビテーズ・ヤーノシュVitéz Jánosの助言を得て,常備軍の建設,官僚の育成による中央集権化を進める。一方ではオスマン・トルコ勢力と,他方ではハプスブルク家およびポーランドのヤギエウォ家の勢力と対抗しつつ,ハンガリーを中欧帝国にしようとした(1468-85年に対チェコ,オーストリア遠征,85年には一時ウィーンを占領)。同時に学芸を保護し,ブダの華麗な王宮に国外から多数の人文主義者や芸術家を招き,有名なコルウィナ文庫をつくり,ポジョニュ(現,ブラティスラバ)に大学を設立し,ハンガリーをアルプス以北のルネサンスの最大の中心地とした。
執筆者:南塚 信吾
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