マーリク・イブン・アナス(読み)まーりくいぶんあなす(英語表記)Mālik ibn Anas

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マーリク・イブン・アナス
まーりくいぶんあなす
Mālik ibn Anas
(710ころ―795)

イスラム法学形成期の法学者で、四大法学派の一つマーリキー学派始祖である。彼の著『アル・ムワッタ』(踏みならされた道)はイスラム法学の古典の一つである。彼の法学の特徴は「個人の意見」(ラアイ)を極力避け、メディナ慣行を重視した点にある。メディナは預言者が活躍した町なので、イスラム以前の慣行も預言者に否定されずに残存した限り、その慣行はイスラム的規範として承認された預言者のスンナ範例)である、という考えに基づいている。

[小田淑子 2018年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

マーリク・イブン・アナス
Mālik ibn Anas

[生]715頃
[没]795. メジナ
イスラムの法学者。メジナ学派の代表的学者で,イスラム正統派に属する四大法学派の一つ,マーリキー派創始者主著『踏みならされた道』 al-Muwaṭṭa'。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android