神経障害の結果としてではなく,筋肉自体の障害のために筋萎縮や筋力低下をきたす一群の疾患をいう。進行性筋ジストロフィー症,筋強直性ジストロフィー症,糖原病,家族性周期性四肢麻痺などの遺伝性疾患,物理的原因や薬剤などによる筋障害,自己免疫機序その他による炎症性筋疾患,甲状腺機能障害などの内分泌異常や代謝疾患に伴う筋障害,悪性腫瘍に伴う筋障害などの種類がある。一般に筋力低下や筋萎縮は体幹や四肢近位部に優位であるが,疾患の種類によっては遠位部に優位のものもある。検査所見としては,生化学的には尿中クレアチンの増加,血清クレアチンホスホキナーゼの高値がみられるものが多い。筋電図では低電位,個々の活動電位の持続の短縮などが特徴的である。生検筋の病理学的検索では筋繊維の大小不同,変性,壊死や細胞浸潤などがみられる。
執筆者:楠 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…こむらがえりは,主としてふくらはぎの筋肉などが痙攣して硬くつっぱり,強い痛みを生ずるものであり,神経原性筋萎縮の場合にみられることが多い。先天性代謝異常によるミオパチーでも運動時に強い痛みを伴う筋痙攣を起こすことがある。
[筋萎縮の診断]
このような筋萎縮の分布とそれに伴う神経徴候を詳細にしらべることによって,筋萎縮の原因に対する診断はある程度まで可能であるが,診断を確定するためにはさらに種々の検査を行う必要がある。…
※「ミオパチー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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