…本虫による腫瘤は,アフリカでは腰部,大腿関節部などに多いが,中南米では頭部に多くみられる。腫瘤内の雌虫からミクロフィラリア幼虫が産出され,これが眼球に侵入し,結膜炎や角膜炎をおこし,さらに網膜や視神経も侵されると失明の原因となることがある。中間宿主はブユblackflyで,吸血によって摂取されたミクロフィラリアはブユの胸筋内で発育してヒトに感染可能な段階の幼虫となる。…
…雄虫は体長約40mm,体幅0.1mm,尾端はコイル状に巻いている。雌虫は体長65~100mm,体幅0.3mmで,その子宮内には薄い卵膜に包まれた子虫が充満しており,これらが被鞘幼虫(ミクロフィラリアmicrofilaria,体長0.3mm)として産出される。このミクロフィラリアはリンパ流を経て血流に現れるが,この現れ方は,周期的で,夜間,末梢血管中に出現する。…
…糸状虫ともいう。成虫は糸状細長で,各種脊椎動物のリンパ管(および節),血管,皮下組織,眼窩(がんか)などに寄生し,胎生で被鞘幼虫(ミクロフィラリアmicrofilaria)を産出し,吸血昆虫によって伝播される。 人体寄生種のおもなものには,バンクロフトシジョウチュウ,マレーシジョウチュウBrugia malayi,オンコセルカ,ロアシジョウチュウLoa loaなどがある。…
※「ミクロフィラリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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