ミゲリスタ(読み)みげりすた(英語表記)Miguelista ポルトガル語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミゲリスタ」の意味・わかりやすい解説

ミゲリスタ
みげりすた
Miguelista ポルトガル語

19世紀の立憲王制下のポルトガルにおいて、ミゲル1世(通称ドン・ミゲルDom Miguel)(1802―66)を首長として絶対王政を回復しようとした反動的保守主義集団をいう。ミゲリスタは地域的な支持基盤をもっていなかった。1823年のビラフランカダの乱、24年のアブリラダの乱では、ジョアン6世に対抗し、28年には王位簒奪(さんだつ)、絶対王政を回復したが、32~34年の内戦では自由主義陣営に敗れ、ミゲル1世は亡命した。彼の亡命後も、ミゲリスタは反動勢力としてマリア・ダ・フォンテの乱(1846)に介入しているが、19世紀後半にはその影響力を失った。

[金七紀男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミゲリスタ」の意味・わかりやすい解説

ミゲリスタ
Miguelista

ポルトガル王ジョアン6世 (温厚王) の3男ドン・ミゲルを支持する伝統主義的党派。ドン・ミゲルは兄王ペドロ4世 (→ペドロ1世) の娘マリアの即位に反対し,ミゲル1世としてみずから王位 (1828~34) についたが,マリア2世を支持する自由主義派との内乱に敗れて亡命した。ミゲリスタは同時代のスペインカルリスタス (→カルロス主義 ) と同じカトリック的伝統主義に立っているが,カルリスタスと異なり地域的な基盤を欠いていた。

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