ミニ新幹線(読み)ミニしんかんせん

精選版 日本国語大辞典 「ミニ新幹線」の意味・読み・例文・類語

ミニ‐しんかんせん【ミニ新幹線】

〘名〙 車体が標準新幹線のものより小さい新幹線。軌道は、在来線外側にもう一本敷く方式と、完全に新幹線規格に造り直す方式とがある。山形新幹線後者

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デジタル大辞泉 「ミニ新幹線」の意味・読み・例文・類語

ミニ‐しんかんせん【ミニ新幹線】

車体が標準新幹線のものより小さい新幹線。軌道は、在来線の外側にもう1本敷く方式と、完全に新幹線規格に作り直す方式とがある。
[補説]山形新幹線秋田新幹線がこれにあたる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミニ新幹線」の意味・わかりやすい解説

ミニ新幹線
みにしんかんせん

在来線の軌間を新幹線と同じ1435ミリメートルに拡大し、特別に設計された車両を用いて高速化し、新幹線と直通運転できるようにした区間通称。新幹線鉄道の建設促進は日本各地で望まれているが、その建設には巨額の費用が必要であり、早期の実現は困難である。より少ない費用で時間と距離の短縮効果を期待して、ミニ新幹線が導入された。1992年(平成4)7月に開通した山形新幹線(福島―山形間)が最初のミニ新幹線であり、1997年3月に開通した秋田新幹線(盛岡―秋田間)がこれに続き、さらに山形新幹線の新庄(しんじょう)への延長工事が進められ、1999年12月に開通した。山形新幹線では特急つばさ」が、秋田新幹線では特急「こまち」が運転され、「つばさ」は東北新幹線の特急「やまびこ」に、「こまち」は特急「はやて」に併結されて東京と直通運転される(「つばさ」には東北新幹線の区間を単独運転するものもある)。

 勾配(こうばい)や曲線半径は在来線のままなので、通常の新幹線並みの高速運転は不可能であり、最高時速は130キロメートルに制限される。一方、ミニ新幹線に改築された区間は在来線とのレール連絡は絶たれるため、在来線列車の直通運転はできなくなる。貨物列車の運転も不可能となるため、3線区間を設けたり、在来線の単線を並行させたりして、在来線列車の運転を維持する区間もある。また、ミニ新幹線はあくまで通称であって、全国新幹線鉄道整備法などに定める新幹線(整備新幹線)ではなく、法的には在来線の一部とみなされる。

[青木栄一・青木 亮]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミニ新幹線」の意味・わかりやすい解説

ミニ新幹線
ミニしんかんせん

在来線から乗り換えなしに列車を新幹線の軌道に乗り入れできるようにしようというプロジェクト。日本の在来線の軌間は,新幹線の軌間 (標準軌間=1435mm) より狭い軌間 (1067mm) である。そのため,新幹線を乗り入れさせるには,在来線の軌道幅を広げるか,外側にもう1本レールを敷く3線軌道にしなければならない。また,車両高も在来線の高さに合わせる必要がある。そのため,運輸省 (現国土交通省) は建設の条件として,(1) 航空機との競合上,最も有利な3時間を切る区間,(2) 貨物や夜間長距離列車の迂回ルートがある区間,と定めている。 1992年7月開業した山形ミニ新幹線 (福島-山形間) では,標準軌間に作り換え,東北新幹線に連結したミニ車両を福島駅で分離し,福島-山形間を時速 130kmで走る。その結果,東京-山形間は従来より 30分速い2時間 40分となった。 97年3月には盛岡と秋田を結ぶ秋田新幹線が開業した。

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