ムルトエモーゼル県(読み)ムルトエモーゼル(英語表記)Meurthe-et-Moselle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムルトエモーゼル県」の意味・わかりやすい解説

ムルトエモーゼル〔県〕
ムルトエモーゼル
Meurthe-et-Moselle

フランス北東部,ロレーヌ地域 (レジオン) の県。モーゼル川中流域にある。県都ナンシー。フランス革命時 (1790) に旧ロレーヌ州を分割して発足した4県のうち,ムルト,モーゼルの2県のかなりの部分が普仏戦争 (1871) 後にドイツに委譲された。2県のフランス領に残った部分は合併してムルトエモーゼル県となった。本県が非常に細長い形をしているのは,その歴史による。なお,委譲部分は第1次世界大戦 (1919) 後フランスに返還され,現在のモーゼル県となった。ムルトエモーゼル県は広い森林地帯と耕地をもち,耕地では穀物のほかジャガイモを産し,牧畜も盛ん。ロレーヌ地方の鉄鋼業地帯にあり,この地方の鉄鋼生産のほぼ半分を占める。ナンシー南東のドンバルシュルムルト付近では岩塩を産し,化学工業が立地する。ナンシーは古都面影を残し,要塞都市ツールには美しい大聖堂がある。面積 5241km2。人口 71万 1822 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android