メシッチ(英語表記)Mesić, Stipe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メシッチ」の意味・わかりやすい解説

メシッチ
Mesić, Stipe

[生]1934.12.24. ユーゴスラビア王国,オラホビツァ
クロアチアの政治家。大統領(在任 2000~10)。別名 Stjepan Mesić。ザグレブ大学で法学士号を取得,のち帰郷して町長の職についた。1971年,民主化運動「クロアチアの春」を支援する反革命分子として,共産党政権である旧ユーゴスラビア連邦政府に投獄された。1年間の服役後,ザグレブで小さな建築会社を経営。1989年野党で政治活動を再開し,フラニョ・ツジマンをはじめとする反体制派の政治家らとクロアチア民主同盟 HDZを結成,その書記を務めた。翌 1990年 HDZが政権を握ると,旧ユーゴスラビアのクロアチア共和国首相に就任。また,旧ユーゴ最後の連邦幹部会議長(国家元首)を務めた。1991年6月のクロアチア独立宣言後,セルビア人主導の連邦軍部隊がクロアチアを攻撃(→クロアチア紛争)。これをうけ 1991年12月に連邦幹部会議長を辞任し,その後はクロアチア国会の下院議長に就任した。1994年にはボスニア・ヘルツェゴビナ問題(→ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争)への対応をめぐって大統領のツジマンと袂を分かち,政界苦境に立たされた。1997年既存の小政党クロアチア国民党 HNSの副党首に就任。2000年,ツジマン死去に伴う大統領選挙に反体制派候補として出馬し,勝利を収めた。2005年再選。メシッチ政権下でクロアチアは 2009年に北大西洋条約機構 NATOへの加盟を果たした。2010年任期満了に伴い大統領を退任

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android