メチオニン発酵(読み)メチオニンはっこう(英語表記)methionine fermentation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メチオニン発酵」の意味・わかりやすい解説

メチオニン発酵
メチオニンはっこう
methionine fermentation

硫黄を含んだ必須アミノ酸であるL-メチオニン微生物を用いて生産する方法。栄養上メチオニンは DL型もL型も差異がないので,化学合成された DL-メチオニンが栄養強化用,飼料添加用などとして用いられているが,アミノ酸輸液にはL型が使用される。メチオニンの発酵生産は,メチオニンの構造類似化合物エチオニンに抵抗性をもつ細菌変異株を用いて行うこともできるが,収量は低い。L-メチオニンは,化学合成した DL-アセチルメチオニンに微生物から得た酵素アミノアシラーゼを作用させて,L型のみを脱アセチル化することによって生産される。アミノアシラーゼは固定化酵素の形でも用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android