メリダ(スペイン)(読み)めりだ(英語表記)Mérida

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メリダ(スペイン)」の意味・わかりやすい解説

メリダ(スペイン)
めりだ
Mérida

スペイン南西部、エストレマドゥーラ地方バダホス県の都市。人口5万0271(2001)。西流するグアディアナ川北東岸、標高221メートルに位置する。サラマンカセビーリャマドリードリスボンを結ぶ交通中継地点。ローマ時代にエメリタ・アウグスタEmerita Augustaの名で建設され、ルシタニア地方の首都、文化的中心地として栄え、中世にはエストレマドゥーラ地方の中心市場町として繁栄した。1950年代のグアディアナ川開発計画「バダホス計画」の実施により灌漑(かんがい)畑が広がり、綿紡績、ビール醸造およびコルクの工場が立地する。伝統的に労働力移出地域であったが、近年は周辺の労働力を集め、移出入均衡を保っている。ローマ時代の遺跡に富み、橋、劇場、円形闘技場(収容人員1万4000人)、住居址(し)などがよく保存されている。その橋を守るためにイスラム教徒が築いたアルカサバ(要塞(ようさい))もある。

[田辺 裕・滝沢由美子]

世界遺産の登録

ローマ時代の遺跡群が1993年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「メリダの遺跡群」として世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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