メリダの遺跡群(読み)メリダのいせきぐん

世界遺産詳解 「メリダの遺跡群」の解説

メリダのいせきぐん【メリダの遺跡群】

1993年に登録されたスペインの世界遺産(文化遺産)。メリダは、同国中西部、グアディアナ川の北岸に市街が広がるエストレマドゥーラ自治州の州都で、古代ローマ帝国時代の紀元前25年に、ローマ皇帝アウグストゥスにより「エメリタ・アウグスタ」という名前の植民都市として築かれたことを、町の起源としている。最初は、ローマ帝国の退役兵士の居住地で、その後、町は大きく発展し、ローマ属州ルシタニアの首都となり、ヒスパニアで最も重要な都市の一つになった。その後交通の要衝として発展を続けたが、8世紀初めのイスラム教徒侵攻により、町は衰退していった。こうした歴史から、メリダには以後新しい建造物は建てられず、スペインを代表するローマ帝国時代の遺構が今日まで数多く残されることにつながった。トラヤヌス帝時代の凱旋門や紀元前15年頃にアグリッパ(ローマ帝国執政官)によって建てられたローマ劇場をはじめ、円形闘技場、ローマ橋、ミラグラス水道橋などがある。また、市内の国立ローマ博物館には、メリダから発掘されたローマ時代の遺物が数多く展示されている。◇英名はArchaeological Ensemble of Mérida

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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