ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルロー=ポンティ」の意味・わかりやすい解説
メルロー=ポンティ
Merleau-Ponty, Maurice
[没]1961.5.4. パリ
フランスの哲学者。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) に学び,第2次世界大戦に従軍した。 1945年リヨン,49年ソルボンヌ,52年コレージュ・ド・フランスの哲学教授。 45~52年『現代』誌の編集をサルトルとともに担当した。ブランシュビック流の観念論の批判から出発,ゲシュタルト心理学や行動主義の科学的心理学の成果を批判的に摂取し,特に後期のフッサールの現象学を発展させて,主観と世界や他人との関係についての考察を展開した。またマルクス主義の論客として,ソ連共産主義を擁護したが,朝鮮戦争をめぐって対立し,独自の左翼的立場を取り,サルトルとも袂を分った。主著『行動の構造』 La Structure du comportement (1942) ,『知覚の現象学』 Phénoménologie de la perception (45) 。
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