日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
メーヨー(John Mayow)
めーよー
John Mayow
(1641―1679)
イギリスの化学者、生理学者。コーンウォールの生まれ。オックスフォード大学に学び、1670年法学の学位を得たが、ロンドンとバースで医業を開き、かたわら硝石の性質、空気の組成、燃焼と呼吸などについて独自の実験を行った。1674年の論文「硝石と硝空気精について」において、空気には硝石の一成分をなす硝空気精spiritus nitro-aëreusが含まれていること、これが燃焼や呼吸によって消費されること、そして動脈血がこれを多量に含むことなどを明らかにした。彼は酸素の主要な役割を正しくとらえたわけだが、酸素そのものが発見されるのは、フロギストン説の時代を挟んでさらに100年後のことであった。
[内田正夫]
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