モチビョウキン(読み)もちびょうきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モチビョウキン」の意味・わかりやすい解説

モチビョウキン
もちびょうきん / 餅病菌
[学] Exobasidium

担子菌類、モチビョウキン目モチビョウキン科の菌。ツツジ類、ツバキ類などの芽、葉、花、実などを冒して、いわゆる餅病(もちびょう)をおこす。餅病の名は、菌の寄生によって葉などが白色化して、餅のような外見を呈することによる。ツバキモチビョウキンE. camelliae Shiraiはツバキの花に侵入したあと、子房組織を刺激して異常成長を促す。このため、患部はこぶし大の球状になることがある。サザンカモチビョウキンE. gracile (Shirai) Sydow、ツツジモチビョウキンE. japonicum Shiraiは葉に侵入して細胞分裂を促し、葉を厚さ2~3ミリ以上にも肥厚させる。この菌は患部の表皮下に子実層をつくり、成熟すると表皮を破って露出し、白粉を敷いたように胞子をつくる。患部はもろく、かむとやや酸味がある。チャアミモチビョウキンE. reticulatum S. Ito et Sawada、チャモチビョウキンE. vexans Masseeは大発生すれば茶の収穫に大きな影響を及ぼすので、発見したら患部を除いて翌年の発生を防ぐことが必要となる。

[今関六也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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