モルヒネ中毒(読み)モルヒネチュウドク

デジタル大辞泉 「モルヒネ中毒」の意味・読み・例文・類語

モルヒネ‐ちゅうどく【モルヒネ中毒】

モルヒネによる麻薬中毒。一時的な大量使用では悪心おしん嘔吐おうと、さらには昏睡こんすい状態に陥り、呼吸中枢麻痺まひを起こして死に至る。少量の連用からしだいに増量して慢性中毒となり、不安・不眠幻覚手足の震えなどがみられ、摂取を中止すると禁断現象を起こす。

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精選版 日本国語大辞典 「モルヒネ中毒」の意味・読み・例文・類語

モルヒネ‐ちゅうどく【モルヒネ中毒】

  1. 〘 名詞 〙 モルヒネによる薬物中毒。麻薬中毒の典型的なもの。急性中毒は大量の一時使用により起こり、悪心、嘔吐から昏睡をきたし、呼吸中枢の麻痺により死亡する。慢性中毒は反復注射により起こり、不安、不眠、知覚過敏、幻覚、手足の振顫(しんせん)瞳孔縮小を認め、投与の中止により禁断現象を起こす。モヒ中毒。
    1. [初出の実例]「例へばかのモルヒネ中毒(チウドク)の様に、一度染んだなら一生涯止められないばかりでなく」(出典陰獣(1928)〈江戸川乱歩〉九)

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百科事典マイペディア 「モルヒネ中毒」の意味・わかりやすい解説

モルヒネ中毒【モルヒネちゅうどく】

モルヒネの乱用による中毒。アヘン中毒と同様の症状を呈する。急性中毒は大量注射によって起こり,治療にはモルヒネの拮抗(きっこう)薬であるナロルフィン,アミノフェニルチアゾール等の投与,人工呼吸など。慢性中毒はモルヒネを鎮痛薬として連用した際などに起こる。治療はおもに入院による即時禁断,後に精神療法を行う。
→関連項目麻薬中毒

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルヒネ中毒」の意味・わかりやすい解説

モルヒネ中毒
もるひねちゅうどく

麻薬中毒

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世界大百科事典(旧版)内のモルヒネ中毒の言及

【モルヒネ】より

… モルヒネの名前は,ギリシア神話の眠りの神ヒュプノスHypnosの子の夢の神モルフェウスMorpheusに由来するもので,これは主作用である鎮痛作用と同時に,痛みに伴う不安を除き,不快な感覚を忘れさせて快感をもたらし,陶酔をきたす作用による。この性質は,習慣性を生じる原因ともなり,しだいに用量を増やさなくては初めの効果が得られない状態,すなわち耐性を生じるとともに,いわゆるモルヒネ依存,モルヒネ中毒をきたすため,麻薬に指定されている。
[モルヒネの生理作用]
 少量で強い鎮痛作用に加え,呼吸抑制作用を現し,さらに睡眠におちいる。…

※「モルヒネ中毒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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