モーリッシュ反応(読み)モーリッシュはんのう(英語表記)Molisch reaction

改訂新版 世界大百科事典 「モーリッシュ反応」の意味・わかりやすい解説

モーリッシュ反応 (モーリッシュはんのう)
Molisch reaction

炭水化物呈色反応の一つ。α-ナフトール反応ともいう。試験管に入れた試料溶液に5~15%のα-ナフトールのアルコール溶液を2~3滴加えて混合した後,試験管を傾け器壁に沿って濃硫酸を静かに加えると,比重の大きな濃硫酸が下に沈んで2層を成す。試料中に炭水化物が存在すれば,両液の界面に紫赤色の環が生じ,混合すれば紫赤色の溶液となる。アミノ糖以外のすべての炭水化物(単糖,多糖)にみられる呈色反応であるが,グルクロン酸など6個の炭素原子を含むヘキスロン酸では緑色を呈する。また,タンパク質の多くもこの反応を示すが,これはそこに含まれる糖によるものである。呈色は,硫酸の脱水作用によって糖から生じたフルフラールやその誘導体(ヒドロキシメチルフルフラール)が,α-ナフトールと縮合して,次に示すような色素を形成することによると考えられている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モーリッシュ反応」の意味・わかりやすい解説

モーリッシュ反応
モーリッシュはんのう
Molisch reaction

炭水化物の検出法の1つ。糖液にα-ナフトールと硫酸を作用させて赤紫色に発色させる呈色反応。この反応はアミノ糖以外のすべての炭水化物に対し陽性である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android