ヤジーディー(英語表記)Yazīdī

改訂新版 世界大百科事典 「ヤジーディー」の意味・わかりやすい解説

ヤジーディー
Yazīdī

イラク北部にいる少数民。呼称の由来は不明。自称はダーシン。クルド語方言を話すが,宗教儀礼ではアラビア語を用いる。イスラム(ことにシーア派やイスラム神秘主義),キリスト教(ことにネストリウス派),ゾロアスター教などの教義儀礼と呪術信仰とが混交した独特の宗教をもつ集団として形成されてきた。オスマン帝国は,その首長に北イラクの一サンジャク(県)を与えることによって,その存在を認めた。クジャクに象徴される天使(マラク・ターウース)の存在を信じ,またそれと同一視されるシャイフ・アディーの墓への巡礼を重んじるが,悪魔崇拝者という非難を受けてきた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android