ヤマコヘツ(読み)やまこへつ

日本歴史地名大系 「ヤマコヘツ」の解説

ヤマコヘツ
やまこへつ

アイヌ語・日本語混合地名とされる。コタン名のほか河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入り真竜しんりゆう村に包含された。仮名表記は「ヤマコヘツ」(「蝦夷巡覧筆記」「東行漫筆」、玉虫「入北記」)のほか「ヤマゴベツ」(板本「東蝦夷日誌」)がある。板本「東蝦夷日誌」は語義等について「ヤマゴベツは山越別にて、和夷混ぜしもの也。本名ウポロと云し也」「昔は此川筋を上りアトイカクスリ領え越たるより、自然山越別の名出来りし也」と記す。一帯の地況について「蝦夷巡覧筆記」に「ヤマコヘツヨリ舟ニテ川ヤヽ下リ両方木立、夫ヨリ半里余下リアツケシ内ノ入海ヱ出ルナリ」、「東行漫筆」に「非常手当米蔵、草屋ヤマコヘツに有之、船路三里、不便の地に付アッケシ明神の後ろノコヘリヘツ江の道筋有之処に引越候積之よし」(文化六年四月二六日条)とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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