ユダス・マッカバイオス(読み)ゆだすまっかばいおす(英語表記)Ioúdas Makkabaîos ギリシア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユダス・マッカバイオス」の意味・わかりやすい解説

ユダス・マッカバイオス
ゆだすまっかばいおす
Ioúdas Makkabaîos ギリシア語
(?―前160)

セレウコス王朝のユダヤ人弾圧に抵抗したユダヤ人反乱軍の指導者。セレウコス王朝の王アンティオコス4世の略奪行為と宗教政策に抵抗してマカベア戦争戦死した父マッタテヤMattathias(?―前166ころ。マッタティアス、マカベアとも)の遺志を継ぎ、反乱軍を指揮して軍事的才能を発揮した。彼は、同王朝の繰り出す将軍たち(ゴルギアスGorgias、リュスィアスLysias、ニカノールNicanor)の軍隊を連破し、ユダヤ人の自由を多少なりとも回復することができた(『旧約聖書外典』「第一マカビー書」3~9章、「第二マカビー書」8~15章参照)。しかしそれもつかのまにして、紀元前160年、ふたたびシリア軍の侵入を受けて、彼はデメトリオス1世Demetrius Ⅰ(在位前161~前150)の派遣した将軍バッキデスBacchidesの軍隊に大敗を喫し、ついに戦死した。

[定形日佐雄 2018年4月18日]

『M・シュテルン、S・サフライ著、石田友雄訳『ユダヤ民族史2』(1977・六興出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android