ユーゴスラビア音楽(読み)ユーゴスラビアおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユーゴスラビア音楽」の意味・わかりやすい解説

ユーゴスラビア音楽
ユーゴスラビアおんがく

旧ユーゴスラビアには種々の民族が混在し,ギリシア正教イスラムカトリックなどが入っていたため,各地方に多様な音楽が発達,ユーゴスラビアの音楽として一括される音楽文化が生れたのは,第1次世界大戦後であった。民俗音楽には即興演奏の伝統的演奏形式があり,一般にコロという舞曲が盛んで,民謡はオーストリアやドイツの影響の強いクロアチア,ダルマチア地域のものと,アラビア系のマケドニア,モンテネグロ地域のものがあり,楽器はグスラタンブーラなどの撥弦楽器,チャンパレータ,ブバニなどの打楽器が用いられる。芸術音楽は 16世紀頃からドイツ,イタリアの影響のもとに発達し,19世紀後半から V.リシンスキや I.ザイツによる民族主義的なクロアチア・オペラが作曲された。第2次世界大戦前後には民族主義やモダニズムの傾向が強まったが,その後社会主義リアリズムが中心となった。代表的作曲家に民族主義的前衛音楽の J.スラベンスキ (1896~1955) と,オペラの B.パパンドブロ (06~ ) がいる。

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