ヨウ素の製造(読み)ヨウソノセイゾウ

化学辞典 第2版 「ヨウ素の製造」の解説

ヨウ素の製造
ヨウソノセイゾウ
manufacture of iodine

ヨウ素はおもに天然ガスとともに産出するかん水(NaIとして80 ppm)や海藻灰から抽出して製造する.製造法には次の二つがある.
(1)かん水に硫酸亜硝酸ナトリウムを加え,

  NaI + H2SO4 → NaHSO4 + HI

  2NaNO2 + H2SO4 → Na2SO4 + 2HNO2

  2HI + 2HNO2 → I2 + 2H2O + 2NO

の反応によりヨウ素を遊離させる.
(2)海藻を焼いた灰のなかにはヨウ化物として存在するので,これを電解するか酸化マンガン(Ⅳ)と硫酸とを加えて酸化する.

  2NaI + 3H2SO4 + MnO2

2NaHSO4 + MnSO4 + 2H2O + I2  

粗製ヨウ素は乾燥して,少量のヨウ化カリウムを加えてゆっくりと昇華精製する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android