ライ(Satyajit Ray)(読み)らい(英語表記)Satyajit Ray

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ライ(Satyajit Ray)
らい
Satyajit Ray
(1921―1992)

インドの映画監督。文学者を父にカルカッタ(現、コルカタ)に生まれる。絵画を学び広告会社の美術部に勤務、社用渡英の際『自転車泥棒』を見て感動した。また『河』のインド・ロケでジャン・ルノワール監督に会って奮起し、私財を注ぎ込んで『大地のうた』(1955)を発表、これがカンヌ国際映画祭でヒューマン・ドキュメント賞を受賞し世界の注目を集めた。続いて『大河のうた』(1956)、『大樹のうた』(1959)と三部作を完成。さらに『大都会』(1963)、『チャルラータ』(1964)、『遠い雷鳴』(1973)の三作がいずれもベルリン国際映画祭でグランプリなどを受賞、以降も『チェスをする人』(1977)、『家と世界』(1984)などを発表した。これらの作品は、インド独自の題材によりヒューマンなテーマと詩的な写実表現で高く評価される。

[登川直樹]

資料 監督作品一覧

大地のうた Pather Panchali(1955)
大河のうた Aparajito(1956)
大樹のうた Apur Sansar(1959)
詩聖タゴール Rabindranath Tagore(1961)
大都会 Mahanagar(1963)
チャルラータ Charulata(1964)
株式会社 ザ・カンパニー Seemabaddha(1972)
遠い雷鳴 Ashani Sanket(1973)
ミドルマン Jana Aranya(1975)
チェスをする人 Shatranj Ke Khilari(1977)
ピクー Pikoor(1981)
遠い道 Sadgati(1981)
家と世界 Ghare-Baire(1984)
見知らぬ人 Agantuk(1991)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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