ライシアム(英語表記)Lyceum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ライシアム」の意味・わかりやすい解説

ライシアム
Lyceum

もともとは,前 335年にアテネアポロン神殿に捧げられた森の中にアリストテレスが設立した学校。アリストテレスには森の中を散策しながら生徒たちに講義をする習慣があり,人々は彼らを逍遙学派と呼んだ。 19世紀に入ってアメリカの北西部,中西部を中心に起った成人教育運動が,アリストテレスの故事にちなんでライシアム (活動) と呼ばれた。これは 1826年マサチューセッツ州のミルバリー湖畔で始められたもので,以後急速に広がり,34年までに 3000近くの地方グループが誕生した。このアメリカにおけるライシアム活動の初期の主要テーマの一つは公立学校制度の普及問題であった。 40年までに R.エマソン,H.ソロー,D.ウェブスター,H.ビーチャー,N.ホーソーン,S.アンソニーなどの著名人を講師陣とする知的運動組織を形成。エマソンのエッセーの多くは,このライシアムの講演のために書かれたものであった。第1次世界大戦後はシュトークワ運動と相互に関連を保ちながら社会教育を展開した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android