ラウリン酸(読み)ラウリンサン(英語表記)lauric acid

デジタル大辞泉 「ラウリン酸」の意味・読み・例文・類語

ラウリン‐さん【ラウリン酸】

lauric acid飽和脂肪酸の一。月桂樹油・椰子やし油などに含まれる。無色針状結晶。水に溶けず、エーテルベンゼンに溶ける。界面活性剤利用分子式C12H24O2

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改訂新版 世界大百科事典 「ラウリン酸」の意味・わかりやすい解説

ラウリン酸 (ラウリンさん)
lauric acid

化学式CH3(CH210COOH。炭素数が12の飽和直鎖脂肪酸。融点44.8℃,沸点176℃(15mmHg),比重d=0.8690,屈折率n=1.4191。熱湯にわずかに溶解するが,エチルアルコール,エーテルに易溶。天然のヤシ油,パーム核油などの中に約50%,グリセリドとして存在する。ヤシ油脂肪酸をメチルエステルとして精密分留,ケン化分解して,含水アルコール溶液から低温再結晶して調製する。50~95%の純度の工業品が市販されている。用途はセッケンとしてシャンプーに用いられ,洗剤湿潤剤,界面活性剤など(エタノールアミド,アルコールサルフェート,アミン,第四アンモニウム塩)の製造原料とされる。界面活性剤,金属セッケンは化粧品に用いられる。ラウリン酸のジエタノールアミドはローション,シャンプーなどの泡の安定剤に用いられ,また金属セッケンは塩化ビニル樹脂用の安定剤などに用いられる。
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化学辞典 第2版 「ラウリン酸」の解説

ラウリン酸
ラウリンサン
lauric acid

dodecanoic acid.C12H24O2(200.31).CH3(CH2)10COOH.グリセリドとしてやし油や月桂樹油など,種々の植物油中に含まれている.やし油の混合脂肪酸をエステル化し,減圧下で分留したのち,けん化すると得られる.無色の針状晶.融点44 ℃,沸点225 ℃(13.3 kPa),160~165 ℃(2.66 kPa).0.869.1.4183.水に不溶,エタノールに可溶,ベンゼン,エーテルに易溶.わずかであるが刺激性を有する.界面活性剤の原料に用いられる.[CAS 143-07-7]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラウリン酸」の意味・わかりやすい解説

ラウリン酸(データノート)
らうりんさんでーたのーと

ラウリン酸
  CH3(CH2)10COOH
 分子式 C12H24O2
 分子量 200.3
 融点  44℃
 沸点  298.9℃
 比重  0.8690(測定温度50℃)、0.883(同25℃)
 屈折率 (n)1.4183


ラウリン酸
らうりんさん
lauric acid

飽和脂肪酸の一つ。ドデカン酸ともよばれる。グリセリドの一種であるラウリンとして、やし油、ゲッケイジュの果肉油などの植物油中に含まれている。ラウリンの名はゲッケイジュの学名Laurus nobilis L.に由来する。やし油の混合脂肪酸をエステル化し、減圧下で分留したのち、けん化すると得られる。白色針状結晶で、水には溶けないが、エーテル、ベンゼンなどの有機溶剤にはよく溶ける。洗剤や界面活性剤に用いられるラウリルアルコールの原料となる。

[廣田 穰 2016年11月18日]

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百科事典マイペディア 「ラウリン酸」の意味・わかりやすい解説

ラウリン酸【ラウリンさん】

化学式はCH3(CH21(/0)COOH。白色の結晶。ドデカン酸,ドデシル酸とも。融点44.8℃,沸点176℃(15mmHg)。水に不溶,エタノールに可溶。洗剤,可塑剤の原料となるラウリルアルコールの原料。ヤシ油中などにグリセリンエステルとして存在。
→関連項目ヤシ(椰子)油

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラウリン酸」の意味・わかりやすい解説

ラウリン酸
ラウリンさん
lauric acid

炭素原子数 12個の直鎖の一塩基飽和脂肪酸。化学式 CH3(CH2)10COOH 。ドデシル酸,ドデカン酸ともいう。白色針状晶で融点 44℃。グリセリドとしてやし油中に存在する。洗剤,界面活性剤の原料となるラウリルアルコールの原料である。

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栄養・生化学辞典 「ラウリン酸」の解説

ラウリン酸

 C12H24O2 (mw200.32).

 ドデカン酸.炭素数12の飽和脂肪酸の一つ.ヤシ油などにエステルの形で存在する.

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