ラジオ体操(読み)ラジオタイソウ

デジタル大辞泉 「ラジオ体操」の意味・読み・例文・類語

ラジオ‐たいそう〔‐タイサウ〕【ラジオ体操】

昭和3年(1928)から放送開始された、ラジオ放送による号令伴奏に合わせて行う国民保健体操逓信省簡易保険局日本放送協会NHK)・生命保険会社協会(現在の生命保険協会)・文部省の四者の協議により完成した。数回中断内容変更を経て、昭和26年(1951)に現在の「ラジオ体操第一」、翌年「ラジオ体操第二」がつくられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ラジオ体操」の意味・読み・例文・類語

ラジオ‐たいそう‥タイサウ【ラジオ体操】

  1. 〘 名詞 〙 ラジオで放送される号令と伴奏音楽に合わせて行なう体操。
    1. [初出の実例]「あづま総本店で牛鍋の朝飯を食べてゐるうちに、ラヂオ体操(タイサウ)の号令が聞えて来た」(出典浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラジオ体操」の意味・わかりやすい解説

ラジオ体操
らじおたいそう

ラジオを通じて伴奏音楽と号令にあわせて行う体操。正しくは「国民保健体操」といい、国民の毎日の健康の保持増進を目的につくられた。ラジオ体操というのは日本放送協会(NHK)のラジオで放送され、国民に広く親しまれていることからくる俗称である。1928年(昭和3)逓信(ていしん)省簡易保険局長であった猪熊貞治は、当時アメリカにおいて、保健事業の一環として、ラジオによって体操が放送され、国民の健康を増進していることに着目し、当時文部省体育課長であった北豊吉と相談し、NHKのラジオ放送によって体操を実施することを企画した。大谷武一ら数人の委員が十数回協議を重ねた結果、11月1日から放送が始められた。この体操はきわめて基本的でわかりやすく、年齢・性別を問わず、だれにでも手軽にできるうえ、ユニークな音楽のリズムと放送指導を担当した江木武彦指導員の個性的な放送が国民に受け、各方面で大歓迎された。NHKはとくに8月には早朝ラジオ体操会を催し、また専門の指導員を派遣するなど普及に努めたので、愛好者はいっそう増加していった。さらに1930年、全日本体操連盟(現日本体操協会)によって、第一体操よりやや高度な第二体操が作成された。第二体操は第一体操に比較して内容も多く運動もやや複雑であるが、振動形式が多くリズミカルである。占領期間中一時中止されたが、第一体操が1951年(昭和26)、第二体操が52年装いを新たにして再開した。1957年にはNHKテレビでのテレビ体操も始まった。ラジオ体操は国民の健康増進と体操の普及に大きく貢献している。

[上迫忠夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ラジオ体操」の意味・わかりやすい解説

ラジオ体操 (ラジオたいそう)

NHKラジオ放送による号令に合わせて行う体操。アメリカのメトロポリタン生命保険会社が健康増進,衛生思想の啓蒙を図る意図から1925年に考案した体操を手本に,当時の日本の逓信省簡易保険局が日本での実施を計画,28年国民保健体操として制定した。同年11月に天皇の御大典記念事業の一環としてラジオ放送を行い,別名ラジオ体操の名称で呼ばれるようになった。45年まではラジオ体操は国民皆体操として普及し,第1体操のほか,第2体操(大日本国民体操),さらに縄跳体操も放送された。45-47年には女性の指導者による第1~第3ラジオ体操が放送され,中断をはさんだものの51年5月には新ラジオ体操(第1体操)が作成されて放送され,52年には第2体操も加わり現在に至っている。第1,第2体操それぞれ約3分間で13種の基本的動作を行い,そのエネルギー量は15~20カロリー程度である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ラジオ体操」の意味・わかりやすい解説

ラジオ体操【ラジオたいそう】

ラジオ放送による音楽・号令に合わせて行う体操。1928年11月逓信省簡易保険局が御大典記念事業の一つとして制定した国民保健体操を,NHKのラジオ放送によって全国に普及指導したのが始まり。第2次大戦後廃止されたが,1951年5月新ラジオ体操(第1体操)が生まれ,翌1952年5月に第2体操も加えられ今日に至る。第1・第2体操とも,基本的動作を主流として13種の運動を連続的に編成してある。
→関連項目スウェーデン体操徒手体操

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラジオ体操」の意味・わかりやすい解説

ラジオ体操
ラジオたいそう

一般にはラジオの音楽伴奏を入れ,号令に合わせて行なう体操をいうが,今日では日本放送協会 NHKで放送しているラジオ体操をさす。国民の健康と体位向上を目的に,10種類ほどの運動を順序づけ組み合わせた体操で,1928年に逓信省の簡易保険局が制定し,放送が開始された。小学校をはじめ全国的に普及したが,第2次世界大戦後一時中止された。1951年新しい形式で出発し,再び全国的に広まった。第1体操,第2体操の 2種類があり,1999年には新たに「みんなの体操」が制定された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android